「たぶん、慣れれば平気になってくると思うから」

しばらくボールで遊んでいるうちに、私にも笑顔を向けてくれるようになった。

疲れたので、ベンチに座って休んでいた。

結衣ちゃんがまたボールを持って遊び始めたので、私と酒井くんは、ベンチでその様子を見守った。

「よく、ここに来るの?」

ずっとしゃべらないのも気まずかったので、私は話題を振った。

「たまに。休みの日に結衣を遊びに連れてきてる」

「そうなんだ」

あっさり会話が終わってしまった。

「前より話してくれるようになったな」