俺はもう一つ気になっていたことを口にした。

「俺の、姉ちゃんのこと」

さっきとは違って、顔が、青くなった。

明らかに何か知っている顔だ。

「姉ちゃんに何があったか、知ってるんだな」

「それは…」

「姉ちゃん、最近ずっと機嫌悪くて、サークルの人たちとご飯食べに行ったあたりから特にひどいんだけど、なんか知ってる?」


佑月は口を固く閉じたまま、話そうとしない。

「佑月は知ってるんだろ。姉ちゃんに何があったのか」

「言えない…綾音にも言うなって言われてるし」