「あのさ、佑月に聞きたいことあるんだけど」

「聞きたい事?」

「二つあって、一つは陸上部の中条先輩のこと」

佑月は真剣な顔になった。

「お前も知ってたのか」

「部長と姉ちゃんに教えてもらった」

佑月はしばらく黙っていたが、一つ息をついて話し出した。

「中条と佐賀が仲が良かったことは知ってるか?」

俺は頷いた。

「クラスでいじめが起こったことも?」

俺はまた頷いた。