「私、先に帰ってる」

お母さんにそう言い残して、病院を出た。


病院から少し歩いたところに公園があるのが目に入った。

公園に寄ってから家に帰ろうと思い、公園のベンチに座った。

空を見上げると、淡い色をした青空が広がっていた。

白い雲が風に乗ってゆっくりと動いていた。

私はそれをぼーっと見ていた。

「秋本さん?」

いきなり誰かの声が聞こえて驚いた。

目の前に中条先輩が立っていた。

「どうしたの?こんなところで」