「はい。これ」

私は一つ持っていたジュースを酒井くんにわたした。

「ありがとう」

秋本さんと星野くんは、楽しそうに話をしている。

「楽しそうだな」

「え?」

急にそう言われてよく分からなかった。

「学校にいるときよりずっと楽しそうな顔してる。美術室であったときはつまんなそうな顔してたのに」

確かに学校にいるときよりは、ずっと楽しい。

私は今まで、友達と出かけるというのをしたことがなかった。

「友達と出かけるの、初めてだから」