この春に俺は、高校生になった。

スポーツ推薦で高校に入った俺は、高校に入っても陸上部に入ろうと気合が入っていた。

家を出る時に幼馴染の沙月とタイミングが重なった。

「沙月、おはよ」

俺は手を軽くあげて挨拶した。

俺に気づいた沙月は、不安そうな顔をしていた。

きっと初めての環境に、緊張しているのだろう。

目の下にクマもできている。

「目の下にクマできてるけど」

「昨日あんまり寝れなかったから」

眠そうな声で答えた。