あたしは大学入学と同時に、自分のパソコンを買ってもらった。そして、念願の一人暮らしも始めた。高校生のとき、あのゲームセンターでゲットしたマルも連れて行ったから、寂しくは無い。
処女作である「悪役令嬢に転生しましたがヒロインが可愛くて困ります」は、まだ続いている。途中から閲覧数も跳ねて、ランキング上位に食い込むようになった。書籍化も夢じゃないかもしれない。
大学では、特にサークルには入らないことに決めた。それよりも、アルバイトを始めたかったのだ。働いて、人生経験を積むことで、小説に役立てようと思った。
新居に越して落ち着いた頃、あたしは飲み物を確認していた。新しく買ったティーポットで、アールグレイを淹れるのだ。
お昼過ぎ頃、チャイムが鳴った。
「優衣さん、来ましたよ」
「優衣ちゃーん! 久しぶりー!」
「よっ、優衣」
三人の先輩たちとの仲も、こうして続いている。今になって分かったことだが、瑠可先輩のあのときの質問は、「文芸部の三人の中で誰が一番好きなのか」ということだったらしい。
「先輩たち、ようこそ!」
思えばあの頃は、あたしも鈍感すぎた。彼らは本気で、あたしのことを女性として好いていてくれていたのだ。そして、それはきっと今も。
「わっ、可愛い部屋! 優衣ちゃんらしいや!」
「そうですね。本当に優衣さんはセンスが良い」
「どーせ慌てて片付けしてたんだろ?」
「もう、先輩たちったら」
先輩たちの気持ちがちゃんと分かった今も、あたしが一番好きなのはエレノアだ。だって、選べないもの。三人とも、あたしの大好きな先輩たちなんだから。
了
処女作である「悪役令嬢に転生しましたがヒロインが可愛くて困ります」は、まだ続いている。途中から閲覧数も跳ねて、ランキング上位に食い込むようになった。書籍化も夢じゃないかもしれない。
大学では、特にサークルには入らないことに決めた。それよりも、アルバイトを始めたかったのだ。働いて、人生経験を積むことで、小説に役立てようと思った。
新居に越して落ち着いた頃、あたしは飲み物を確認していた。新しく買ったティーポットで、アールグレイを淹れるのだ。
お昼過ぎ頃、チャイムが鳴った。
「優衣さん、来ましたよ」
「優衣ちゃーん! 久しぶりー!」
「よっ、優衣」
三人の先輩たちとの仲も、こうして続いている。今になって分かったことだが、瑠可先輩のあのときの質問は、「文芸部の三人の中で誰が一番好きなのか」ということだったらしい。
「先輩たち、ようこそ!」
思えばあの頃は、あたしも鈍感すぎた。彼らは本気で、あたしのことを女性として好いていてくれていたのだ。そして、それはきっと今も。
「わっ、可愛い部屋! 優衣ちゃんらしいや!」
「そうですね。本当に優衣さんはセンスが良い」
「どーせ慌てて片付けしてたんだろ?」
「もう、先輩たちったら」
先輩たちの気持ちがちゃんと分かった今も、あたしが一番好きなのはエレノアだ。だって、選べないもの。三人とも、あたしの大好きな先輩たちなんだから。
了