悪戯っぽく微笑み、冗談とも本気ともいえない言葉を放った。



「いいとこ見せたいからに決まってるでしょ、それに――メノウと少しでも長くいられるから」



脳内がシャロンと恋人関係になった幻想を勝手に創り出す。……あまい。あますぎる。なにこの糖分しかないイケメン。



ずっと一緒にいて、いまさら好きだとも言えない。



「そ、それよりさシャロン、この前アズがさ――」



友人を逃げ道に使うとか情けないが、しょうがない。まだシャロンのあまい言葉には慣れないわけで……。ドキマギしながらも必死に話す俺とは裏腹に、やっぱり涼しい顔で聞いている。



……重たい荷物持って、なんでそんな顔できんの?


イケメン専用の技なのそれ。



帰路の終着点はシャロンの家。異国の珍しい物を取り扱う専門店で、実は密かに憧れていたりする。異国が大好きな俺にとって、ここは天国だ。歴史の香りがする……うっとりする俺とは反対にシャロンは全くと言っていいほど、興味がない。



そこが、少しだけ残念だったりする。



先にキッチンへと向かったシャロンを追いかける。