シャロンについていった先にあったのは、可愛らしいピンクの店だった。店先には花のポットがたくさん並んでいる。



「レイチェルおばさんの店?」



ここにはよくシャロンと来たことがある。魔女であるおばさんがやっているお菓子専門店で、見たこともない製菓の材料や珍しいお菓子、なんでも豊富に取り揃っている。しかもシャロンはここの常連客で、新作の味見したりアドバイスもするらしい。



「そう。よくメノウに作ってあげてたお菓子の材料ここで揃えてたからね」




店の中に足を踏み入れると、棚にズラリと並ぶ瓶の中に、宝石のようなジェリービーンズ、コンペイトウ、花の砂糖漬け、たっぷりチョコがかかったドーナツ、ハーブクッキー。とにかくお菓子や製菓の材料がたくさんある。天井からはドライフラワーが吊るされていて――確か、レイチェルおばさんの趣味がガーデニングだったな。そんなことを思い出しながら奥にいくと、体格のいいおばさんが笑顔で出迎えてくれた。



「あらあら、シャロンちゃんとメノウちゃんじゃないの。相変わらず仲いいわねえ、おばさん嫉妬しちゃうわ〜」


「ご無沙汰してますレイチェルさん。いつも通りですよ」


「そ、そんなことより!何か用があってきたんだろっ」



にこやかなふたりとは対象的に焦る俺。耳まで熱くなりながら何故か必死に誤魔化す。シャロンは気づいてて、きっと何も言わないだろうけど。