……どうしてこうなったのか、そんなの考えてもきっと、理由なんてわからない。

 衣純ちゃんの復讐だとしても、誰が仕組んでいるか見当もつかない。

 誰が犯人か、誰を疑えばいいのかわからない。

 みんなは、何を考えているだろう。

 ……桃矢君も波多君も同じように、私を疑っていた。

 二人の処刑のタイミングは、あまりにも似ていた。

 私に危険が迫ると、それを排除するように。

 ……まるで、ハートの女王が、私を守っているみたいに。

 私はハートの女王じゃない。

 犯人の仲間でもない。

 ……どうして、ハートの女王は私を助けるのだろう。

 けれどその考えも、間違っているかもしれない。

 すべてハートの女王の気まぐれで、偶然私が助かったのかもしれない。

 それか私が疑われるよう、わざとあんなタイミングで処刑しているのかもしれない。

 ――いくら考えても、答えなんて見つからないのはわかっていた。

 どうしてそうしたか、なんて、ハートの女王本人しかわかり得ないことだ。

 私は死にたくない。

 誰にも死んでほしくない。

 当たり前のはずのその願いは、今は相反するものなのだろうか。