あれからずっと、部屋でふさぎ込んでいた。

 千結は死んだ、波多君も死んだ。

 恭君は頭がおかしくなってしまった。

 どうすればいいんだろう、どうしてこうなってしまったんだろう。

 私は初めから、すべて間違っていたのかもしれない。

 こんな事態に至った理由を思い起こそうと、考える。

 咲真は、私たちは文化祭の準備をしていたと言っていた――思い出せ。

 思い出せ。

 必死に頭の中を探ると、曖昧(あいまい)だった記憶の輪郭(りんかく)が段々と鮮明になる。

 ――確かに、そうだった。

 劇の準備で、私は小道具係をしていた。

 桃矢君の言っていた通り、材料の入った段ボールを運んで、階段で恭君にぶつかった。

 部室で段ボールを開けようとして、水無君に怪我をさせた。

 心と一緒に水無君を手当しようとして――もっと先へと記憶をなぞろうとして、頭痛に襲われる。