珍しいメンバー四人で何やら話し込んでいる。


「行ってみよう」


 咲真と共にその輪に近づく。

 すると私たちに気づいた祐奈が苦い顔をした。


「あ、ありす」

「どうしたの?」

「……誰がハートの女王だと思うか話してたんだよ」


 ……そんな。

 私たちみんな被害者なのに、疑い合うなんて。

 そう思いながらも、信じきれない自分がいた。

 もしかしたら本当に、ハートの女王はみんなの中に潜んでいるかもしれない。

 現に桃矢君は、ハートの女王に指名されて殺されたのだ。


「ご、ごめんなさいありす! 私、ありすを疑ってた……桃矢君が処刑されたのは、ありすに手を出したからだと思って……!」


 ――確かに、あの処刑の放送のタイミングでは、そう思われても無理はない。

 私はもしかして、ハートの女王に助けられた?

 脳裏によぎったそんな考えを、慌てて打ち消す。

 そんなわけがない。

 ハートの女王はみんなを殺したがっていて、桃矢君を殺したような人だ。

 味方かも、なんて一瞬でも思うべきじゃない。


「……みんなも、ありすを疑ってるのか?」


 落ち着いた口調で咲真がみんなに問う。