耳に残る反響音が、やけにうれしそうなのは気のせいだろうか。


「従ったほうがいい……のか?」


 ……従わずに、また仮面の集団が現れてはたまらない。

 私たちは、言われたとおり庭園に行くことにした。

 屋敷の扉を開いた瞬間、それは聞こえてきた。


「み、みんなっ、助けてくれっ!」


 それは絶叫ともいえる、桃矢君の哀願(あいがん)だった。

 しかしそれは叶わず、みんなは立ち尽くしてしまっている。

 彼は――桃矢君は、ギロチン台の上にいた。

 周りを仮面の集団が囲っていて、傍に立っている一人に桃矢君の命は委ねられている。


「桃矢……!」


 助けようにも、その方法がわからない。

 私たちの力では、あの仮面たちにどうあがいても敵わない。


「俺っ、あ、謝るから! だから、助け――」