そんなのとても信じられないし、信じたくないけれど――多分、咲真が言うとおり、そういうこと(・・・・・・)だ。

 目の前のこれはどうしようもない現実だ。


「なっ……なんで……?」

「わからない……みんな、同じ状況だよ」


 咲真の腕をゆっくりと解き、おもむろに立ち上がった。

 もっとしっかりこの場所を把握しないと。

 私に続いて立ち上がる咲真の隣で、辺りに目をこらす。

 ここはまるで、西洋の庭園のようだった。

 地面に広がる芝はレンガブロックで舗装された道によって分断されていて、伸びる道の中央には噴水がある。

 それから、庭園はかなり背の高い生垣でぐるりと囲まれていて、その生垣にはいくつもの純白の薔薇(ばら)が咲き香っている。

 振り返れば、そこにそびえ立っているのはギロチン台。

 その奥には立派な屋敷が見える。

 それにしてもギロチン台の他に、華々しい庭園には不似合いなオブジェがちらほらと並んでいるのが目につく。

 それらはコーヒーカップやティーカップを模していて、遊園地を連想させる。

 どうしてそんなものがあるのかと一瞬思ったが、他の疑問に比べれば大したことではない。

今はこのことについて考えるのはやめておく。

 辺りには咲真の言ったとおり、私が所属している部活の仲間の姿が確認できる。