「……俺が守るよ」

「え?」

「なるべく、一緒にいるようにする。犯人も、男といれば手出しづらいだろ?」

「――いいよ、悪いし!」


 咲真にそう言ってもらえてうれしかったけれど、咄嗟に断ってしまった。


「……ありすが嫌ならしないけど、遠慮してるだけなら俺が勝手にする」

「い、嫌じゃないよ!」

「じゃ、決めた」


 そうして、咲真と一緒に登下校する生活が始まったのだった。

 しかしそれからも、手紙は数日に一度届き続けた。

 それはだんだんと不気味さを増していった。

 カミソリの刃が入っていたり、文字が血のようなもので書かれていたり……そろそろ家族や警察に相談するべきかと思い始めた頃。


「ありす、これ見て」


 ある日、咲真はスマホで撮影したムービーを見せてくれた。

 それは、私の家の前を録画したものだった。