「そういえばさっき、水無と心がもう一度外を調べるって出て行ったよ」


 咲真にそう教えられ、私たちも行こうと提案した。

 屋敷の重い扉を開けて、思わず目を細めた。

 薄暗い屋敷内にいたせいで、太陽の光が目に突き刺さってくるように感じる。

 目が慣れると、一際(ひときわ)異質な存在であるギロチン台が嫌でも目に留まる。


「……咲真、私たち、大丈夫だよね」

「大丈夫だよ、きっと」


 握られている手に力が入った。

 根拠は無くても、どこか安心できる響きの言葉だった。

 それにしても、白々しく(たたず)んでいる、遊園地にあるようなオブジェは異質だ。

 部屋にもいえることだけれど、かわいらしさを演出してどうしようというのか。

 ……もしかしたら、不思議の国のアリスの世界観を模倣(もほう)しているのかもしれない。

 庭園には、水無君と心の他に白羽部長がいた。

 その手には何故だか、長いロープが握られている。


「白羽部長、それ、何ですか?」