「どうやら、本人以外は入ってはいけないみたいだ。他の部屋にも書いてあるよ」


 とりあえず部屋の中を見るのは後回しにして、廊下を進む。

 端まで来たところで、三階に上がることにした。

 二階には、白羽部長、咲真、私、千結、祐奈の部屋が並んでいた。


「三階建てなんだね」

「よかった……まだまだ上があったらどうしようかと思った」


 後ろで水無君と心が話している。

 三階に上がると、階段はそこで終わっていた。


「んー、同じみたいですね」


 三階も一通り歩いた限り、二階と同じ造りのようだった。

 波多君、恭君、水無君、心、桃矢君の順で部屋が並んでいた。


「とりあえず、入ってみねえと」


 波多君が言ったが、ここは桃矢君の部屋の前。

 きっと彼なら嫌がるはずだ。


「え、俺が最初? 無理無理、一人で入らなきゃダメなんだろ?」


 ……やっぱり、予感は的中した。

 入るのは自分だけでも、みんなが傍にいるんだから大丈夫なのに。


「じゃあ、私が最初に入ってくるよ」