波多君の声に手を挙げたのは、私、咲真、水無君、心、白羽部長、祐奈、恭君、そして波多君もそれを確認した後みんなに続いた。

 これだと、千結と桃矢君以外みんなが屋敷に入ることになる。


「二人だけ残すのはなぁ……」


 白羽部長が心配そうに言うと、千結がゆっくりと手を挙げた。


「や、やっぱり、みんな行くなら行きます……。こ、怖いのはみんなも同じはずだし、それに、その、白羽部長が一緒なら大丈夫だと思うので……!」

「そうか、うん、僕もみんなもいるから大丈夫だよ」

「はっ、はい……」


 白羽部長に笑いかけられた千結は、耳まで赤くして俯いてしまった。

 ……わかりやすくて、かわいいな。

 しかしあいにく想いを向けられている本人は気づいていないようで、「みんな、一緒に頑張ろう」なんていつもと変わらぬ笑顔で言っている。


「えー……じゃ、俺も行くしかないじゃん。こんなとき単独行動とか、絶対やっちゃいけないやつだし」


 心底嫌そうな顔で、桃矢君はため息混じりに言った。

 そうして、気持ちが一つになったとはちょっと言いづらいけれど、みんな同じく屋敷に入ることになった。