私の声は届いただろうか。

 顔を上げると、今まさに、心の命が奪われる寸前。

 そんなときに視界の端に何かがちらつき、思わずそちらを見る。

 それは、弾丸だった。

 水無君が開いた手から、数発の弾丸が零れ落ちていた。


「僕もごめんね、心」


 私がその光景の意味を理解する前にギロチンの刃が落ちて、水無君が言葉を続ける。


「――残念でした」


 ゾクリ、と悪寒が走るようなその声が零れると同時に、心の首は宙を舞った。


「それ……」

「心に拳銃を渡す前に弾は抜いておいたんだ、危ないからね」


 水無君は平然とした口調で言った。

 どうして、そんな態度でいられるのだろう。

 遺体となってしまった心を見つめながら、平静を保っている彼が信じられない。


「ん? どうしたの、そんなに見つめて」

「どうしたの、って……心が、死んだんだよ?」

「――うん、わかるよ」


 水無君はなおもあっけらかんとした様子で、それがどうしたと言わんばかりの言葉を返してきた。