今度こそみんなで、逃げ道を探さないと。

 そう思うと、いてもたってもいられなくなって、部屋を飛び出した。

 ……みんなはまだ、塞ぎこんでいるのかもしれない。

 明日になったら、みんなとしっかり話をすることを胸に誓う。

 今、一人でできることは、逃げ道のヒントを探すことだった。

 何か見落としがあったかもしれない。

 もう他人任せにはしないで、自分の目でしっかり見極めよう。

 まずは屋敷の一階から探すことにする。

 咲真の部屋に入ったことで他人の部屋の行き来にペナルティはないことは証明されたが、やはりみんなのーー特に、もういない人たちの部屋に勝手に入るのは気が引ける。

 それに時間も気になった。

 ずっと閉じこもっていたから、もう夜にはなっていると思う。

 それを確認するには一階のホールにある時計を見るしかない。

 階段を下りながら、一段一段を注意深く観察する。

 もしかしたら何かあるかもしれない。

 しかしそんな期待はあっさり裏切られ、もうあと数段で一階の床に到達する、というときだった。


「だから、何をすればいいの?」


 苛立っている、心の声が聞こえた。