「女性が魔法の分野で活躍するのは難しいからな、もしかしたら魔法学校で成績が振るっていないと思って聞くのは控えていたんだ」

「そういうことですか」

 家族みんな、私に気を遣ってくれていたらしい。
 結果、噂を伝手に私の成績を耳にすることになったようだ。

「昔から魔法が大好きな子で、人一倍の情熱を持っていたのは理解していたが、まさかここまでの魔術師に育ってしまうとはな。マーシュ殿も通うからちょうどいいと思っただけだが、ローズマリーをエルブ英才魔法学校に入れてよかったよ」

「おまけに王子様との結婚なんて、本当によく頑張ったわね、ローズマリー」

「……」

 家族に手放しで褒めてもらって、私はプレッシャー以上に嬉しさを感じたのだった。
 考えたら、私がここまで魔術師として成長することができたのは、才能とか努力とか以前に、寛大な心を持つこの家族がいてくれたおかげかもしれない。



 それから二週間後。
 ディルがうちまで迎えにやって来た。