「もう昼休みだけん。綾って今日も学校休むかや?」
「もう何日も来てないが。大丈夫なん? 出席日数とか色々」
「やっぱハブられちょるんよ! 気まずくて来れんのじゃって〜」
そんな会話が教室から聞こえたけど、気にせずに教室に入る。
ドアの横にすぐ、3人の女子が立っていた。さっきの話をしていた人たちだと思う。あたしを見て、ヤバいと言う顔をしたから。
あたしは自分の席にカバンを置いて、財布だけ持ってまた教室を出た。
「あの髪色なんかや!」
「また染めちょー!?」
人の噂が好きだな……。
あたしの長い髪は、薬の副作用でどんどん赤くなっていった。
副作用で髪が明るくなるのは、京と和也、陸と陽子が知っている。
最近薬の量を増やしたから仕方ないことだけど、京たちに感づかれるのが嫌で、金色に染めてしまった。
中3の時に理一に染めてもらって以来。
高校受験の時に黒くしたから、久しぶりに染めた。
副作用で、金色になるのはありえない。
多分、気付かれないと思う。にしても……すごい色……。