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「綾ちゃんっ!」
放課後、ひとりで昇降口の階段を降りていたら、後ろから声をかけられた。
「あ……えっと」
あたしの名前を呼び後ろに居たのは、理一に告白した先輩だった。
「梢だけん! 今帰りかや?」
こずえ先輩って言うんだ……。
「はい。先輩も?」
「うん。今日は陸上部休みだけん。友達は部活で、あたしひとりで帰るとこ」
あはっと笑う梢先輩に、あたしも笑い返す。
「綾ちゃんも……ひとり?」
「えぇ、まぁ」
久々に人と話したかも……。
「あのっ、よかったらちょっと話せんかや? あっ、でも嫌だったら全然無理しなくていいけん!」
両手を顔の前で振って、コロコロ表情が変わる梢先輩に思わず笑ってしまった。
どうしようかな……。別に嫌なわけじゃないんだけど……。
「あれ!? 梢せんぱーい!」
ギクッと肩が揺れる。
横を見ると、麻実と京がいた。その後ろに朋、和也、理一、陸、陽子の姿。