「すぐにまた、みんなと仲よく話せるほど、あたしは無神経な人間じゃないの。……お願いだから、分かって」
「……言いたいことは……分かっちょーけど……」
あたしを抜いて、みんなまた仲よくすればいい。
仲のいい輪の中にあたしが混ざることは、もうない。なくていい。
「分かったら教室戻って? ね?」
笑顔を見せると、和也はまだ何か言いたげだったけど諦めたように立ち上がった。きっと、今だけだろうけど。
「理一のことは説得しとくけん」
「ふはっ! しなくていいよ」
「また絶対みんなで遊ぶけんね!」
あたしは返事をせず、笑顔で手を振っただけ。
和也はあたしに背を向け、教室に戻っていった。それを見届けてから、うつ伏せになる。
……ありがとう和也。
綾はひとりでも、大丈夫だよ。