昼休み、次の授業を受ける気になれず、体育館の裏庭で寝転んでいると、携帯が鳴りだした。


「……もしもし?」


着信相手は和也だった。


『どこにいるかや』

「裏庭。体育館の」

『待っちょれ』


一方的に切られ、しばし携帯を見つめる。


和也、ここに来るのかな? 何で?


あたしは目を瞑って、木々の間をすり抜ける風の音を聞きながら待つことにした。


しばらくして、和也がやって来たのが分かった。


「何しちょるが」


目を開けると、ちょうど真上に和也が立ってあたしを見下ろしていた。


「……日光浴」

「寒いじゃろーが」


上半身を起こしたあたしの隣に、和也も座る。


「………」

何で来たんだろう。


疑問を口に出す前に、和也が口を開いた。