「っもういいが! 綾なんて知らん。好きにすればよか」

「陽子っ」


陽子は怒りと悲しみが混じったような顔をして、自分のクラスに戻っていった。残された朋はあたしを見つめる。


「陽子も……みんなも、心配しちょったんよ? 理一はもういいって、綾の話を嫌がるし……。あんな言い方は無いと思うが」

「……じゃあ何て言えばいいの? もうあたしは京とも理一ともさよならしたのに、今さら相談してどうするの?」

「……綾にとってあたしたちって何かや? 友達じゃないの?」


悲しそうな瞳をする朋に、あたしは容赦なくたたみかけた。


「友達だからって、何でもかんでも話さなきゃいけないの?」

「……っ綾のバカ……。信じられんが」


朋はそう言って、逃げるように教室に入ってしまった。朋は席について、すぐ机に突っ伏した。



泣かせちゃったかな……。


傷つけてしまったよね。


ひどいいこと言ってごめんね朋。ごめんね陽子。


大丈夫だよ。そのままあたしを嫌いになればいい。


そしたら、あたしがいなくなっても、悲しまなくて済むでしょう?