「俺って、モテちょる?」
帰り道、理一がボヤく。
「……ある意味ね」
「ある意味ねぇぇ……。何だか宜しくない感じではあるけんなぁ」
めんどくさそうにシルバーに染まった髪を触りながら、理一は遠い目をしている。
「……分かってんじゃん」
「みんな羨ましいけんなっ」
何その勘違い……。
理一は入学して間もないというのに、呼び出されまくっている。可愛らしい女の子ではなく、いかつい男の先輩に。
「ひがまれてんでしょーがっ!!」
「何々!? 心配してくれちょるが!?」
「……言葉失うんだけど」
心配なんて、とうの昔からしている。いつ暴力を振るわれるのか分かったもんじゃない。