────…


「あ。まただけん」


高校1年生、入学して2週間。

あたしは理一、朋、和也と同じクラスになった。陽子と陸は離れてしまったけど、そのふたりは同じクラス。


クラスにも馴染んできた頃、あたしは中学からの友達、朋と教室のドアを見る。


シルバーの髪がよく目立つ、一見チャラチャラしてそうな理一がそこに立っていた。


「あの子、理一のメアド聞いてるのかや」


朋が興味津々といった様子で、ドアのほうを見ている。


「……さぁ」


そう言ってドアのほうをちらりと見る。理一と、知らない女の子。


答え方に何かトゲがあったのか、朋はあたしに視線を戻した。


「やっぱりふたりは付き合っちょるけんね!!」

「付き合ってないよ」


なぜか目を輝かせる朋に、あたしはひと言だけ告げた。


「じゃあ……気になっちょる?」


……そりゃ気になるよ。だって理一があんなにモテてるんだもん。


昨日も一昨日も、その前の日も、理一は休み時間の度に呼び出しをくらってる。


まぁ、全てが女の子じゃないけど……。