「寂しくなんか、寂しくなんかないってば」

しつこいリクを追い払い私は二階の階段を上がりリクと一緒の子ども部屋に逃げ込んだ。

ベットにうつぶせになって涙をこらえる。

私が悲しかったのは

お父さんなんてものに憧れて、あんな絵を描いてしまったばっかりに、ママやリクを悲しい気持ちにさせてしまったという事についてだった。

バタン

ドアが開いてリクが部屋に入ってくる。

「しーな泣いてるの?」

「泣いてない」

「じゃこっち向いてよ」

「イヤ」

「じゃくすぐるよ」

そういってリクは、ベットにうつぶせになって寝ている私の上に乗っかりわき腹をこコチョコチョとくすぐってきた。

最初は我慢していたけれど、思わず私は笑い出してしまう。