それからしばらくしてママが帰って来た。

ママが急いで夕飯を作っている間に
私とリクは一緒にお風呂に入る。

お互いの背中を洗いっこして

すべすべになって気持ちいいね。

なんて無邪気に喜ぶ。

お風呂から出て、ダイニングテーブルでママに見てもらって宿題を終える。

そして今度は3人で夕飯だ。

「でね、しーなってば神様に僕を返してもらったから大事なぬいぐるみを持っていかれちゃうってまた泣くから僕まいっちゃった。」

リクが可笑しそうにママに笑って話す。

「だからしいなは、ぬいぐるみを背負っているってわけなのね」

そうなのだ。

私はリクが帰ってきて
泣くだけ泣いて安心した後、今度は神様に大事な物を全部あげますって、そう約束をした事をふと思い出してしまった。

今度は

「神様がベア君を持って行っちゃう~」

そう泣いてリクを困らせた。

リクはそんな事、神様は絶対にしないって言うけれど

神様と約束したのは私だし、リクは神様じゃないんだから本当に持っていかないかなんてリクにはわからないよ。

「だってママ、こうしてベア君をあたしに縛っておけば神様は持って行けないでしょ?」

我ながらいいアイデアだと自慢気味にママに話す。

「神様はそんな事しないって僕言ったのに、しーなは全然信用しないんだよ、神様はそんな事しないよね?」

私がリクを信用しなかったのが気に食わなかったらしく、リクはママにそう聞いている。