「ちょっと、何してんのよ」

「だって今日しーな、俺と約束したじゃん」

「してないからっ」

「洗うの手伝ってよ」

「やだってば」

「ちえっ、小さい頃は普通に、いつも一緒に入ってたのに」

「だから、それは「小さい頃」の話でしょ」

「今と何が違うの？」

「何がって・・・そりゃお互い性別を分ける部分とか立派に発達してる・・・し」

「やらしー、しーなって俺の事そーいう目でみてたの？」

「み、みてないから」

「じゃ、こっちむいてあらってよ。背中届かないから。」

「そんなの理由にならないよ、いつもは一人で洗えてるんでしょ!!」

「今日だけだから、お願いしーな、洗ってよ」

そういうとリクは無理矢理私の手に石鹸のついたスポンジを握らせた。

こういう状況になると、（って初めてだけど経験上、何となく）リクは絶対自分の言い出した事はひかない。

だから私はリクの言うとおりにするしかない。

「じ、じゃ、リクは入り口の方を向いてて。そ、そしたら背中だけ洗ってあげるから」

「わかった」

そういうとお風呂の椅子を動かす音がしたので

わたしはとりあえず首だけ後ろを向いて、リクがちゃんと向こうをむいたか確かめる。