夕方家に帰って来ると家中の灯りが消えていた。

「まったくもぅ、リクは電気もつけずになにしてんのかなぁ」

そういいながら家を探すとどこにもリクがいない。

「どうしたんだろう」

そうつぶやいても誰も返事をしてくれない。

ママが仕事で忙しく鍵っ子の私とリクは5時までに帰って来ることってママと約束している。

今はもう5時半。

家中探したけれどリクは何処にもいなかった。

途方に暮れて私は一人、ソファーで膝を抱えてうずくまる。

ひとりぼっちの一軒家は小さな私には広すぎて
大な暗闇に飲み込まれそうで怖くなって泣きそうになる。

きっとあたしがリクに意地悪したから神様はリクを連れてどっかに行っちゃったんだ。

寂しくないって強がり言ったから神様は私に罰を与えているんだ。

ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい

もうリクに意地悪なんてしないから私の弟のリクを返してください。

大好きなクマのぬいぐるみのベア君も

ママがこの前買ってくれたおまけつきのお菓子も

ママの誕生日にプレゼントを買おうと今までずっと貯めてきた貯金箱のお金も

神様の欲しいもの、全部あげます。

だから神様リクを返して下さい。

そう思ってシクシク泣いた。