「しーな、そろそろ行こうよ」

そう言うとリクは歯磨きをするべく洗面所にむかっていった。

「あっほんとだ、こんな時間。ママ絶対今度のGWには旅行、約束だよっ」

そういって私もリクの後を追って洗面所にむかった。

「今日のリクは大好き」

ママとリクと私の3人で久々一緒に行けそうな、旅行計画がすごく嬉しくて、思わず浮かれてリクの地雷を踏む言葉を言ってしまった。

「しーな、今日は素直でいいこ」

リクはそう言うと隣に並んだ私の体をぐいっと自分の方に引き寄せ、軽く抱きしめた。

そして私の顎をくいっと片手で持ち上げて、唇が触れるか、触れないか微妙な距離を行ったりきたりして、最後は強引に私の唇がリクの唇に食べられた。

歯磨きを終えた後のリクの唇は、私達がしている行為とはうらはらに、さわやかなミントな味がした。

「う・・・私、はみがきしてないし・・・。リク虫歯になるよ」

意味不明な事を言える余裕が出てきたという事は、私もリクのチュウに慣れてきた証拠かなぁ。

ちょっとやばいかも。

今日リビングに下りてくる前までは、昨日のエロエロ変態星人リクオネア(どんどん名前が変になってってるし・・・)が怖くて仕方がなかったはずなのに。

ママとちょっとでも話が出来た事と旅行に行けるかもって事で、すっかり私は心の安全レバーを上げちゃってたよ。

いかんいかん。

そんな事を考えながらシャカシャカ音を立てて歯を磨く。