「いてっ」

そういうリクを見ると、唇が怪我をしている。

そこに醤油がしみたらしい。

「大丈夫?」

思わす、テーブル越しにリクに近づいて唇の傷を確かめる。

「しーながつけた傷なんだよー」

「ご、ごめん」

「この責任は体で払ってもらうから」

そういうとリクは無敵の笑みを浮かべ
私の頬を両手で掴んで、ぐいっと自分の顔に引き寄せた。

その衝撃で私は少し前に引っ張られる形になり、
お味噌汁が制服に当たってちょっとこぼれた。

「ちょ、リク、朝から滅相もないこと言わないでよ」

そういいながら私はリクに掴まれた自分の頬をリクの手から引き離そうと試みる。

「夜ならいいの?」

そういうとリクはもっと私の顔をを自分の顔に引き寄せる

「夜でも駄目だけど・・・」

あまりにリクの顔が近くにあったので、何だか恥ずかしくなり、私は横目でなんとか視線をリクから外す。

「じゃいつならいいの?今?」

そういうと
無理矢理私のあごを自分の方に引き寄せるよう
にして、私の顔を自分の顔に近づけた。

びっくりした私はリクと目が合って、

リクはニヤリと笑うと
自分の顔を、ちょっと右に傾け、私の唇に自分の唇を重ねてきた。

私は咄嗟に目を閉じる。

さっきは感じなかったけど、私が噛んだ部分がざらざらしていてちょっと痛い。

それでもリクはもっともっと深く私の唇を奪う。

私の唇とリクの唇がこすれて、リクの血の味がするキスだった。

本気なのか、

それともからかわれているだけなのか。

でも今感じているこの血の味は

確実に私の中に流れている血と同じなんだ。