「俺、し~なの事、大好きだから」

後ろのソファーからそう聞こえた。

「うん、わかってる」

私も素直に答える。

「今日は沢山無視してごめん」

リクが謝ってきた。

「いいよ、別に気にしてないし」

私は嘘ついた。

「俺、昨日しーなに何にもしてないから」

「だから、安心していいよ」

って…。

「それはエッチしてないって事?」

私は驚いて、ドアから一歩出ていた足を止めて聞いた。

「しーな、何か勘違いしてるみたいだけど、最後まではしてないから」

それはつまり、昨日うっかり私がお風呂でのぼせちゃって
意識を失ってる間に何もしてないって事だよね。

最後の最後の一線は越えてないって事だよね?

よかった。

でも
今日私はリクとエッチしちゃったって思ったから
色々悩んで、結局よく分からない事ばっかりで
ほんとに私は頭がパニック状態だったのに

そんな私を見て
リクは楽しんでたって
つまりそういう事ですよねぇ・・・。

「そう言う大事な事は朝、聞いた時にちゃんと説明してよねッ!」

やっぱりリクはやなヤツだッ!