「どうしようか、何か明るいクラスがいいから、先生の言われたとおり、明るい絵でも描いてみる?」

そういって、プロの作家さんに安易に絵を頼んでいいものかと、疑問に思った。

それにプロだとやっぱお金とるのかな・・・。

「いいんじゃん、それで」

若槻連はどうでもいいじゃん、そんな事って風に
窓から外を見たまま自分の前髪をいじりながらそう言った。

「や、やっぱ描いてもらうとなるとお金とか必要になるのでしょうか?」

いきなり目の前の人が、私の憧れる作家さんだって事に気がついちゃって
敬語になって、聞いてみる。

「何で?」

何でときましたか・・。

「だって、プロなら自分の描く絵でご飯を食べてるって事で、えーとそのー」

しどろもどろになりながらそう言うと

「俺の絵、見たことあんの?」

いきなりこっちを真っ直ぐ見て聞いてきた。