ガラッと教室のドアを開ける。

「ご、ごめん」

そう言って、私は若槻連を見た。

彼は窓際の私の机の上に腰掛けて外を見ながら
やっぱりクロッキー帳に何か描いていた。

私に気がつくとまた
隠すようにすぐにノートを閉じてしまい、私は残念な気持ちになった。

「ごめんね、遅くなっちゃったね」

時計を見ると、もう5時半を過ぎようとしていた。

「別に、俺、寮生だし」

あっ、そうなんだ。

これまたひなちゃんに知らせるいい情報、ゲットだ。