それに、

さっきすれ違った時に「二ノ宮さん」がリクの隣にいた。

あれはきっと谷口先生に会えなくて、職員室から戻ってくる途中だったに違いないから。

それはつまり、
「二ノ宮さん」はリクが寮に入る事を知ってたってこと?

私には相談できないけど
彼女には相談できるって事?

リクが信頼できるのは

私じゃなくて
「二ノ宮さん」

そういう事になるのかなぁ・・・・。

そう思ったら涙が出そうになった。

いけない。

こんな事で泣いちゃいけない。

涙は嬉しい時に流すものだもん。

悲しい涙は

人を幸せになんてしないから

絶対に私は泣かない。

そう思って、矢口先生から預かったピンクの封筒を
胸の前でギュッと抱え込む。