「失礼しまーす」

私だけそういってちゃんと挨拶をして、
若槻連は頭だけ軽く下げて私の後についてくる。

っていうか、そんなにしゃべるの面倒なのか!

若槻連の無口っぷりにもう感動すらおぼえてきた私。

笹塚先生の所に一直線に歩いていく。

途中でリクの担任の谷口先生が私を見つけて呼び止めた。

「あぁ、しいなちゃん、ちょっと後で私の所によって下さらない?」

「あ、は、はい」

谷口先生は中等科の時に私は一度お世話になった事がある先生だ。

生徒と親しくなる話術に長けていて、みんな下の名前で呼ばれる。

あぁ、リク何かしたんだろうか・・・・。

前を見ると、笹塚先生の席にもう若槻連が到着していて、こっちを指差している。

やばっ。

「谷口先生、じゃ笹塚先生の用事聞いたらまた来ます」

「お願いね」

「はい。じゃ」

そういって私は笹塚先生の元に急ぐ