絵を描く人なら大抵知ってると思うけど、

私の頭についていたのは
小学生の頃流行した、
コーラ味とか
バナナ味味(バナナの匂いをイメージした味を真似たややこしい匂いのやつ)の練り消しとかじゃなくて、絵を描くときによく使うやつだった。

「ちょっと、人の頭に練り消し投げないでよ」

私は隣の席の若槻連にそう言って、頭からとれた練りけしをノートにべチョッと練りつけた。

若槻連はその練り消しを自分の持っている母体の練り消しでぺたぺた取っている。
全く何考えてんだかわかりゃしない。
あんまり話さないし、折角話したってぶっきらぼうで、単語しか出てこない。

でもこんな奴があんな素敵な絵を描くんだもんなぁ。

本当にあの夕焼けを描いた人が隣にいる若槻連なのかなぁ。

だとしたら、絵の才能はあるけど、コミニュケーション能力ゼロ。

神様は全てを一人の人に与えなかったんだわ。

あ、でも、リクだけは別か。

あの子は見た目も頭脳も完璧だもんなぁ。

そんな事を考えていたら授業を終えるチャイムが鳴った。

よっしゃぁー!

お昼だぁ。