電車を降りて、一人でアイデアを絞り出しながら、町中をぶらぶら歩く。

それが迂闊だった。アイデアを考えるのに夢中で、前からやって来ていた人とぶつかってしまった。

ぶつかった拍子に、尻餅をついてしまった。

「ごめんなさい、大丈夫ですか?」

「大丈夫です、よそ見しててごめんなさ、、、松原くん!」

私とぶつかった相手は、私と同じクラスの松原夏樹くんだった。