「葉山さん、すみません。謝ってすむ問題じゃないのは理解しているんです。でも、もう、次の作品で辞めようかと……。」

本当に、辞めようと考えている。
私から小説家という職を神様が奪ったかのように、ある日、突然に私は小説家という世界から、突き放されたのだろう。

「あっ!松原くんって、今、彼女いなかったよね?もしよかったら、私の偽装彼氏になってくれない?」

我ながら、なんて大胆なアイデアを考えてしまったんだ。絶対に引かれてるに決まってる。