私は 氷嵐 雪海 。


室町時代から代々続く「祓い屋」の名家『 氷嵐家 』の長女として生まれた。


氷嵐家は昔から


邪の気に心を喰われた哀れな動物たちの浄化


また、邪の気を生み出す原因とされる『妖(あやかし)』改め、『 怪異 』 の討伐で名を挙げてきた名家だ。




〜3ヶ月まえ〜


斗愛「 雪海っ!私ね、聖桜海学園に行こうと思うんだ! 」


聖桜海学園といえば、


近くに『禁断の森』がある学校…。


禁断の森とは、怪異が多く住み着いていることから危険視され、普段は祓い屋以外入れないよう封鎖されている森。


だが勿論その怪異達は自由に森の外に出てくる。


実際、聖桜海学園での怪異による被害は多い。


加えて斗愛は『取り憑かれ体質』…。


行かせないに越したことはない。


だが、最優先は斗愛の意思…


雪海「 私の方でも一旦桜海学園について調べてみるよ。 」


斗愛「 ありがとっ、雪海! 」



聖桜海学園…



近くに禁断の森があるに加え、


それにしては被害件数が少ないことからある程度は予想をしてはいたが…



この学校には



『 怪異討伐科 』がある。


怪異討伐科とは、私のように祓い屋の家に生まれてきた者を


一人前の祓い屋に養成する所だ。


…ここなら斗愛も守れるし、私自身の力の向上にもつながるし、いいか。




問題は、






―父さんだな。













父さんは昔から実力主義な人。


結果を出せないと存在している意味がない。


結果を出してこその努力。


中学のテストも首席は当たり前。


褒められた記憶なんて、


一度もない。


母さんが亡くなってから、一度も。





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雪海「 … 父さん、失礼します 。 」


父 「 入れ 。 」


父 「 要件は。 」


雪海「 …聖桜海学園に進学しようと思います。 」


父 「 怪異討伐科があったな。 」


雪海「 はい 。 」


父 「 聖桜海学園に進学することを許可する。 」


雪海「ありがとうございます。」


そう言い終わらないうちに


父さんが話した。



父 「 ただし、首席だ。必ず、首席で合格しろ。もし首席ではなかったら入学は認めん。 」


雪海「 はい。必ず。 」


父 「 さがれ。 」
 

雪海「 失礼します。 」




勉強、しなきゃなぁ。