「まず、俺の名前は桐谷友哉。
おまえの、親の友達の息子。
おまえの親は…借金抱えてたんだ。
とうとうそれが手におえなくなって、俺ん家がおまえを引き取ることにした。
おまえの部屋にあったものは、もう全部俺ん家にある。
わかった?」



私は小さく頷いた。



「おまえの親も、ちゃんとした生活送れるようになったら迎えに来るらしいから。」



「…わかった。」



「よし、じゃあ行くか。
母さんが待ってる。」



さっきとは違い、優しく手を引いてくれる。



まだ出会ったばかりだというのに、ドキドキしている自分がいた。