まだ熱を持っている唇に手を当てて、ぐっと涙を拭う。



瞬くんがかけてくれたおまじないがあるから私はもう大丈夫だ。


瞬くんのいなくなったこの夜も、明日には朝を迎えるから。


この世界で、私は明日も生きていく。



優しい夜の風が私の頬を撫でていった。