そんな私に気づいたのか、瞬くんがそっと手を握ってくれた。



「大丈夫だよ、僕がいるから。行こう」



ただ手を握られているだけなのに、不思議と怖いという感情はなくなっていて目の前の瞬くんで頭がいっぱいだった。



瞬くんが言っていた通り、私が奥まで来てしまっていたようで、戻った先にお母さんは簡単に見つかった。


その次の日も同じ砂浜に遊びに行くと、瞬くんがそこにいてその日は丸一日瞬くんと遊んだ。


しかし最悪なことにせっかく仲良くなれたというのに別れは早く、その日の夜私たちは東京へと戻った。



私はどうしても帰りたくないと駄々をこねて、最後まで周りに迷惑をかけたが見送りに来てくれた瞬くんがそんな私を優しくなだめてくれた。



「またここに来てよ。美夜ちゃんが来るのを待ってるからさ。今はまだ無理だけど、もっと大きくなったその時は、僕から会いに行くし」



瞬くんは優しく笑うと、まだ泣きじゃくっている私のおでこにそっと口づけをしてきた。