好きになった男の子が、ずっと前から自分を好きでいてくれていただなんて。


まるで夢みたいだ。



「俺はあの夜を忘れたことなんて一度もないよ。せっかく話せたのに今夜限りにもしたくない。…だから、沢村。俺と付き合ってください」


「…っ。はい…っ!」



我慢できなくなり、泣きながら小山くんの胸に飛び込む。



私たちの物語はきっとあの夜からもう始まっていた。


それに気づいたのは遅くなっちゃったけど、それでもまたここから始めればいい。



小山くんはあの夜を忘れたことはなかったって言っていたけど、私にとって今夜はとても忘れられそうにないから。


大好きな君の隣で、この恋の物語はいつまでも続いていく。