「あ?おまえ、誰だよ」



誰も信用していないようなその冷たい瞳に、びくっと思わず反応してしまう。


やっぱり怖い、でも…。



「怪我、してるから…歩けないのかなって思って…。それにこんなところにいたら風邪引いちゃうし…」


「…別に。全部どうでもいい」



どうしようかと少し迷ってから、ハッと思いつき鞄を全部置いて近くの自販機に走る。



「あの、少し痛いかもしれないけど、我慢してね…」



買ってきたペットボトルの水で持っていた使っていないハンカチを濡らし、そっと男の子の赤くなっていた頬に当てる。


男の子は特に抵抗することもなくされるがままといった感じで、痛いのか少し顔を歪めていた。


男の子の怪我を手当てしてあげながら、年はきっと私と同い年くらいかな…、なんて考える。