優しい小山くんの本当の姿に惹かれてしまった。



「沢村、俺たちが出会ったのもこんな夜の日だったよな」


「…え?」



小山くんがそっと涙を拭ってくれ、そして優しく笑った。



「“大丈夫ですか?”沢村だけが、そう話しかけてくれた」






「大丈夫ですか…?」



夜の繁華街から外れた冬の路地裏で、誰かがうずくまっていた。


最初は幽霊かと思って死ぬほどびっくりして、それから血だらけの男の人だとわかった。


本当は男の人が苦手だし、見て見ぬふりして帰っちゃおうかとも思ったけどなんだかほっとけなくて気づいたらそう声をかけてしまっていた。