沈黙に耐えられなくなり、わざと明るい声を出しながら話そうとするも、夜風が思っていたより寒くて思わずくしゃみが出た。



「…ごめん」



何やってるんだろう。恥ずかしすぎる…。



「夜は冷えるもんな。嫌じゃなかったらこれ着てていいよ」


「え…?」



小山くんが着ていたパーカーを脱ぐと、手渡してくれた。



「でも小山くんが…」


「俺は平気。別に寒くねぇし」


「…ありがとう」



石鹸の香りと温かさに、涙が出てきそうだった。